前回は飛び上がりと落下の調整をしました。
今回はその間の細かい動きから作っていきます。
0.相手を掴む
0.5.相手を引き寄せる
1.相手の左足を取る
2.担ぎ上げる
3.上に飛び上がる
4.上空で固めポーズになる
5.落下し極めポーズ
6.相手を離す
上空ポーズの修正
まずは上空のポーズ(110フレーム)です。
受け側を作ります。
参考動画では上がった時に両腕が上がっているように見えるので、両腕と両ひじを上げます。
打ち上げられた際に若干上に漂う感じを出したいので、下半身を修正します。
少し下半身をまっすぐにし、足・ひざを曲げます。
攻撃側を修正します。
両腕IKを相手のひざ裏に合わせます。
両足を修正します。
落下途中の125フレームに移動します。
落下途中で既に両足が接地時のような形になっているので、両足IKを前に出して開きます。
もう一度110フレームの両足も修正します。
このまっすぐ下ろした両足は少し前のフレームにして、この110フレームの最上部では前に足を送る予備動作のようにします。
95フレームに移動します。
何も変えずに両足IKを登録します。ここまでは足をまっすぐにしておき、最上部で前に足を出すという動きにします。
次に最上部の110フレームに移動します。
両足IKを上げて、前に出します。
着地の反動を表現する動き
次に落下中・落下後のポーズです。
受け側の両腕は極めポーズでは下向きにしましたが、動画をよく見ると着地のタイミングでは上向きで、着地の勢いで下向きになっているように見えます。
極めポーズの137フレームにいきます。
両腕の全ボーンと指をコピーします。
5フレーム後の142フレームにこれらをペーストします。
次に137フレームに戻り、両腕を上に上げます。
こんな感じです。
ついでに着地後の身体の折れ曲がりも作ります。
142フレームに移動します。
センター・グルーブ・上半身・上半身2・首を変更し、折り曲げを強くします。このとき首の乗っている位置はあまり変わらないように、若干センターをY軸下方向に移動させてダメージ感を強くしました。
補間曲線使用時の注意
以前から行っていますが、一度登録したボーンを変更して再登録するときの注意です。
いま登録したボーンのフレームを縦選択してみると、左下の補間曲線が複数になっていることがあります。
これはさきほどコピーした両腕のボーンの補間曲線と、他のボーンの補間曲線が異なっているため表示されます。意図があるなら別ですが、基本的にはあるフレームの補間曲線は統一したほうがよいです。
これを修正するには、どれか一つの◇を選べば一つの曲線が出てくるので、これをコピーして縦選択、ペーストすればよいです。
続いて142フレームの攻撃側を作ります。
同様にセンター・グルーブ・上半身・上半身2に加え、両腕IKと両肩+を調整して相手のひざ裏に手を持っていきます。また、着地の反動を表現するために両足をY軸上に上げ、下半身を少し前に曲げます。
ここでポーズの変化を横から見てみます。まず137フレームが以下です。
続いて142フレーム。
・・・どうも攻撃側が前に出てきすぎている気がします。
それぞれ調整します。まず137フレーム。
センターをZ方向に後ろへ下げ、両足IKもそれに伴って後退しました。
次は142フレーム。
同じボーンをこちらも後退させました。
ここまでの動きを見てみます。
細かいモデル同士の干渉以外、違和感がなくなってきたように見えます。
変えるとしたら上空での動きをもっと大げさにした方が動画映えするでしょう。
それは最後にして、先に着地後の反動部分を作ります。
双方の142フレームを全ボーン登録した後、150フレームに移動します。
142フレームが下がり切ったところなので、150フレームに着地後の安定したポーズを作ります。
まずは攻撃側です。
上半身・上半身2・首をまっすぐにして上体を起こし、下半身も少しまっすぐにして、両足IKを接地します。
腕は後回しにして先に受け側に切り替えます。
こちらも同様に上半身・上半身2・首をまっすぐにして上体を起こしますが、それだけだと体が攻撃側にめり込むのでグルーブの回転とセンターの上昇で首位置を相手の肩に乗るようにします。
攻撃側に戻して腕IKを調整します。
例のごとく両腕IKと両手捩を調整してひざ裏に合わせます。
投げ捨てる動きの作成
次に160フレームへ進み、最後の「6.相手を離す」の予備動作ポーズを作ります。
動画では攻撃側正面から見て右側にずるりと落としています。そのまま落としても良いですが、一度逆側の左に少し肩を動かしてから落とすと溜めが効いた動きになります。
今回は受け側からです。
グルーブをZ軸で回して傾けます。例によって首位置はセンターで合わせます。
下半身も当然傾きますが、ここは逆に水平から変化がない方が力がかかっている感じが出るので、下半身を調整します。
下半身を回して元の水平位置ぐらいにします。首もついでに調整しました。
攻撃側に切り替えます。
上半身をZ軸で傾けます。その他首の角度を相手に向け、両腕IKは相手のひざ裏に。両足IKは少し閉じました。
これで溜めポーズはひとまずよいので、最後の落とすポーズを作ります。
全ボーンを登録後、170フレームに移動し受け側から作ります。
グルーブを回転させて右横に倒れるような角度にしてからセンターを首が攻撃側の左肩の少し後ろに乗るようにします。
下半身と両足、両ひざを少し戻します。
攻撃側に切り替えます。
まず両腕IKを相手のひざ裏に持っていき、関節角度が違和感ないようにグルーブで上半身を左回りに回転させます。
受け側位置を修正するため切り替えます。
センターを動かし、攻撃側の後方に移動させます。
倒れポーズの作成
最後の投げ捨て後を作ります。
全ボーンを登録後、180フレームに移動します。
まずは受け側から。
最後の床に寝ているポーズですが、先に上半身・上半身2・首・下半身・両足を初期化し、登録を押さないでおきます。上図のように未登録ボーンは緑色表示になります。
そのままフレームを移動させずにグルーブを回し、体が地面と水平になるような角度にしてグルーブを登録します。その後センターを移動させて身体を地面に横たえます。
これで倒れこむ角度が正しく設定できると決まったら、そのまま先ほどの未登録ボーンを微調整して登録をします。
その後両腕を変更します。
動いているところからの倒れポーズを作る際には、このように一度それぞれのボーンを初期化した上で細かく調整したほうがきれいに収まります。
攻撃側を作ります。
投げ落とすようにしたいので、少し大げさなポーズにします。
上半身、グルーブを回し、右腕IKを前の方に(もう手を離しているので)、左腕IKを相手の頭付近に持っていきます。
左肩から相手の身体が滑り落ちるので、左腕IKを登録したら直前のフレームからの動きを確認して、相手の頭が肩から左腕を経由して滑り落ちていく位置に左腕を登録します。
長くなりましたが、これで一連の動きとポーズをすべて登録しました。
動きを見てみましょう。
だいたい流れるように動いています。
あとは微調整をして完成です。
さまざまな基本機能を紹介しつつここまで書いてきました。
次回では最後の動きの仕上げと、作成のポイントを書いてまとめたいと思います。
よろしくお願いします。