MMD格闘ログ

NSFWなMMDブログです。直接的なものはありませんが。

IKをON・OFFした時のずれを減らす方法

久しぶりにTips的な内容です。

 

 

足IKをOFFにすると何が起きるか

関節技や組技の動画を作っていると、途中で体全体を回転させるような動き(投げなど)が出てきます。その時に足も当然動かさなければならないのですが、IKを使っていると動かしにくいです。

それを比較的見栄えよくするためには、足IKをOFFにするというやり方があります。

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↑のここですね。

OFFにすれば腕などの関節と同じように動くので、センターやグルーブ等の動きに追従して自然な回転になります。

しかし、単純にOFFにすると足位置がずれます。

ONのときはこうですが、

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OFFにすると変な位置に飛びます。

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1フレームの瞬間で起きることですが、動画にすると違和感があります。

直すためにはONOFFの2フレームで関節位置が変わらないようにする必要があります。

 

先駆者の紹介

何名かの方が既に解説やツールの配布を行っておられます。

www.nicovideo.jp

ch.nicovideo.jp

bowlroll.net

感謝です。

MMMでやるとこういった問題は生じないので、MMD専用の悩みかもしれないです。

 

 

手作業で修正する方法

以下はツールを使わず修正するための方法です。割と力技です。

長いので以後の表記でIKがONのフレームを「前F」、OFFにしたフレームを「後F」と呼びます。

準備

最初に見やすくするために、カメラモードにして以下のようにします。

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変更点は、

  • カメラの「パース」をOFF
  • 角度をすべて0
  • カメラ中心XYZはお好みで
  • 上記の内容をIKを前Fと後Fに登録

となります。

要するにXYZの座標軸方向に視点を置くことで、細かい調整を簡単にできるようにするということです。

足関節の修正(Z)

モデル編集モードに戻り、足関節を動かします。グローバル軸で動かすのでご注意ください。

この時カメラを回転させないようにしてください。追従を押しておくと回転しなくなります。

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この状態で後Fの関節を見てみます。

(モデルの色と被って見えにくいですが)足ボーンを選択した状態です。

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XとY軸のマニピュレータが出ていますが、Z軸が見えません。Z軸方向と視点が一致しているためです。

このままで後Fと前Fをキーボードの左右矢印キーで移動させつつ、Z軸を回転させて同じような向きになるようにします。

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あまり変化が見えませんが、そうなっていればOKです。同じようにして両足のZ軸を修正します。

合っているかわかりにくい場合は、原始的な方法ですがディスプレイに定規を当てて前Fの角度を比べます。

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両足のZ軸を直しました。

足関節の修正(XY)

またカメラモードにして、以下のようにカメラを変えます。

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今度は前F後FのカメラY角度に-90(90でもOK)を入れます。

この状態でモデル編集モードに戻ります。

Z軸の時と同様、今度はX軸が視点と一致して見えなくなります。

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同様にして後FのX軸を合わせます。

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両足直しました。

同じことの繰り返しですが、最後にY軸を直すためにカメラを再度変えます。

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今度はY軸を-90(90でもよい)です。

そしてモデル編集に戻り、Y軸も修正します。

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前Fと後Fの変化を見てみると、ひざ位置にある足ボーンの先端がほとんどずれないようになりました。

実はこれで足の位置は終わりではないのですが(あと1軸直す必要がある)、とりあえずOKです。

ひざ・足首の修正

ひざボーンの修正の前に、足IKを前Fから後Fにコピーします。位置調整のターゲットにするためです。

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準標準ボーンもついでに入ってますが、特に意味はないです。

ひざ関節は意図して動かさない限り、屈曲方向の軸(モデルによって命名規則異なるためXYZのどれとは言えません)しか動かないはずです。

ですので、マニピュレータをlocalにして修正します。カメラは自由で問題ありません。

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またもわかりづらいですが、後Fのひざボーンを動かしてひざボーンの先端が足IKに重なるように調整します。

一発で一致すれば何も問題ありませんが、普通は以下のように、

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ひざを回しても一致しないことがよくあります。

この時は対応する足ボーンの「ボーン進行方向軸(ボーンをドリルとして考えたときに、ドリルを回転させる軸)」を回して調整します。

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完全に合わせるのは正直難しいですが、これでほとんど同じ位置にできます。

(足ボーンの先端位置は先ほどの修正で合っているのですが、そのボーン進行方向軸の回転をまったく修正していなかったために生じる問題です。)

 

ひざボーンができたら最後に足首ボーンの修正です。

つま先IKに足首ボーンの先端が一致するように動かして修正します。

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上記で、足・ひざ・足首の位置が合いました。

わずかなずれがあっても動きの中で消されることが多いので問題になることは少ないです。

 

Tipsなど

ボーンの動きを微調整するとき、Ctrlキーを押しながら動かすと細かく動きます。位置合わせがやりやすくなるので便利です。

角度合わせに定規を使うやり方ですが、最終的に合わせたいのはボーン先端の位置なので、以下のエフェクトで表示して合わせる方法もあります。

bowlroll.net

また上では書きませんでしたが、足の位置に影響を与えるボーン(センター、グルーブ、下半身など)も前Fと後Fで同じにしておく必要があります。

 

動画で確認

上記の手法で足IKをONOFFして動画にしてみました。

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キック自体ではなく、その前に右足IKをOFF→着地時にONとしています。

(右足を後ろに引くときにはOFFです)

着地時のような、足がまっすぐになるところは関節位置が動きにくいので合わせやすく、IKをONOFFしやすいポイントです。

最終的には違和感がなければそれでよいと思います。

 

マイナーな小技・足IKをOFFにした時の調整方法でした。

ダンスモーションでは使うことは正直ないと思いますが、何かの役に立てれば幸いです。